私は、人事制度構築(再構築)の仕事を時々やっている。
誤解を恐れずに言えば、自己流だ (笑)
そもそも、自分のキャリアプランの中に、人事制度構築支援の仕事をするというのは、なかった。きっかけは、当時お世話になっていたお客様の会社で、別のコンサルタントに依頼して、人事制度構築の取り組みをスタートさせていたが、依頼していたコンサルタントが、その仕事を廃業するということになってしまった。そしてその会社の人たちが困っていたので、後を引き継いでやることになった、ということだった。
以前、私が所属していた会社にも人事制度構築を仕事としている人たちはいたが、私はその時は、人事制度の仕事に関わっていなかった。評価者研修や目標管理の仕組みを作るなどをしたことはあったが、、、そのころ、人事制度の仕事に携わっていたら、誰かその道の師匠的な人に教わっていただろう。でも、そういったことはなかった。
そのため、人事制度関係の本は手当たり次第に結構読んだ。そして思ったことは、本によってどのように制度を構築したらよいか、言っていることが全く違うな、、、ということだった。シンプルに言えば、著者の思想観によって、成果主義的な制度がいい、ジョブ型・職務主義的な制度がいい、役割主義的な制度がいい、職能資格制度がいい、等まちまちだ。その本だけを読んでいると、そうだなと思う。しかし、様々なタイプの本を読むと、一概にそうとも言えないと思える。違った視点から言うと、人事制度構築(再構築)の時に、誰に相談したかによって、あらかた制度の方向性は決まってしまうと言っても、過言ではないと思う。
一方で現行の人事制度に満足していない会社は多い(と思う)。ある意味、当然かなという気もする。どうしても、人は自分が評価されたいと思う。自分が評価される(評価が高い)基準と他者が評価される基準は、異なる。だから、ある人にとって満足度の高い評価基準は、他の人にとって満足できない評価基準になる可能性が高い。
ここで大事になってくるのは、会社の(トップの)考え方(価値観)だと思う。正解がないだけに、我社ではこういった人材を評価するという基準を鮮明に打ち出す必要がある。それは、会社ごとに異なってしかるべきだと思う。ただ、一般的に、そういった考え方・価値観から人事制度を作っていくのではなく、現状の制度の不具合を修正するために、制度は制度で検討するケースが多いのではないかと思う。
以前、ある会社の社長と話していて、こんな会話があった。「会社のオーナーである自分が、この社員はすごくよくやってくれていると思う社員に沢山給料を出してあげたい、と思うのは、いけないんですか?どうしてもAさんとBさんの給料がこれしか変わらないということが釈然としないんですが、、、」色々な条件もあるので、100%とは言わないが、しごくまっとうな考え方だと思う。あとは、この社長の頭の中にある少し抽象的なイメージを可視化して、社員がだれでもわかるように表現する必要があるけれども。(これはこれで少し骨の折れる作業だけど)
また、よく言われる「いい会社」に訪問し、経営者はじめ、そういった会社の人達から色々な話を聞くことがある。ここで言う「いい会社」とは、業績がいいだけでなく、離職率が低く、社員のエンゲージメントや幸福感が高い会社だ。そういった会社の人事制度も、各社まちまちだ。社員を大切にしているため、様々な福利厚生の仕組みは充実している。そして、よい仕組みを真似しようという発想もあると思う。もちろん、会社経営の思想観は、近いものがあるし、共通点もある。でも、人事制度は各社異なるような気がする。中には、評価には、そもそも重きを置いていないということで、年功序列を今でも取り入れて、評価なしの会社もある(それでも業績はずっと伸ばしている)。一方で、成果を上げるということ(もちろんプロセスも)を重視し、その会社独自の成果主義的な制度を作って、こちらも長年うまくいっている会社もある。どちらの制度でも、うまくいっている。つまり、どっちもあり、なんだと思う。
どうしてこういったことが起きるのか?これらは、業務特性によるところが大きいように思う。例えば、個々人の成果が大きくでる仕事もあれば、全員が一体となって行うので個々人の成果は分かりにくい仕事もある。仕事をマスターするのに長い年月を要する仕事もあれば、1年以内にマスター可能な仕事もある。会社の価値観に加え、会社の(部門の)業務特性を加味する必要がある。
もう一つ、人事制度の仕事で行った会社の社員の方たちに話を聞くと、現行の制度の不満は当然色々出てくる。でも、どういったところが?なぜ?・・・と色々突っ込んで聞いていくと、意外と自社の制度をよく知らないケースも多い。人間は、はっきりしていない(と思っている)と、不安や不信を抱きやすい。誰もがわかりやすい制度、またはわかるような工夫も必要になる。
これら以外にも、昇格・昇進の仕組みをどう組み立てるかは、モチベーション・役職任用にも関わるし、賃金の仕組みも重要なのは間違いない。働く人たちの生活やキャリア形成も考える必要がある。これらは、本当に多くの様々なパターン、方法があり、様々な要素を加味して、検討する必要がある。そして、こちらで作って提供するだけでなく、お客様の会社で運用できるように、会社のメンバーと一緒に作り上げていく必要がある。
本当に、各会社にとっての最適を探す(作り上げる)必要がある。でも、こう言っている私にも好みや癖がある。私の好みは、社員の成長につながる、社員の成長を後押しするような人事制度だ。働く社員が成長しなければ、その会社の明るい未来は考えにくいと思っているから。
人事制度の各論は、またどこかのタイミングで書くかもしれない、、、今回はここまで

コメント