私が新入社員で配属になった営業所の壁に大きく下記の文字が貼ってあった。
「小才は、縁に出会って縁に気づかず 中才は、縁に出会って縁を生かさず 大才は、袖すり合った縁をも生かす」
大学を卒業したての私は、なんとなく「そうなんだ」という感覚だったように思う。ただ、ビジネス(だけでなく)人生を経ていくうちに、とても重要なことだと感じるようになっていった。
亡くなられたが、プロ野球選手→監督の野村克也氏著「成功する人は、『何か』持っている」にこんなことが書いてある。
「見ていないようでいて、この広い社会には、必ずあなたのことを見ている人がいる。その人が、あなたの日々の努力、真摯な取り組み方に共感して、また困っている姿を見かねて手を差し伸べてくれることがあるのだ。それが縁であると、私は考えている。」
「成功する人というのは、人生のピンチで助けてくれる人が決まって現れて、夢を実現していくものだ。自分を支援してくれるようなまわりの人たちの縁を引き寄せることも、人生の成功には欠かせないのだろう。このような縁も、結局、日ごろの取り組み方、行い次第だと私には思える。日々、夢や目標に向かって、懸命に努力する。その姿を見て、まわりの人も共感したり、手を差し伸べてあげようと考えたりするのだろう。縁によって新たな出会いがもたらされ、新たな人生が切り開かれていく。」
「運がめぐってきたときに、日々、取り組んできた人だけが、それをつかむことができる。日々をおろそかにしていたものは、チャンスをつかめず、「運」がめぐってきたことにさえ気づかないのではないだろうか。誰にも「運」はめぐってきているのだ。成功したものは、「私は運がいい」と言い、成功できなかったものは「私は運がない」と言うのはそういうことかもしれない。」
人とのご縁を積極的に探すことは大事だと思う。様々な人脈をつくる努力は重要だ。でも、それだけで十分ではない。誰と縁をつくるのがいいか、自分にとってメリットのある人は誰だ、とギラギラした目つきで周囲を見回していても、多分縁はできない。相手は、こちらを見ている。この人との関係を長きに渡ってはぐくみたいと思うか、手を差し伸べ支援したいかは、相手が決めることだ。
私は仕事で、数多くのハイパフォーマー(仕事で抜群の成果をあげている人)と言われる人たちに会い、色々な話を聞いてきた。彼ら彼女らの多くは、「私は運がいいんです。そんなに特別な秘訣はありません」と言っていた。ただ、具体的に話を深堀りして聞いていくと、明らかに人とは違った工夫をしていたり、違う発想をしていたり、人一倍の努力をしてている人が多い。
そういった人は、すでに一歩前に出ている上、縁も味方につくのだろう。そして、それは雪だるま式に大きくなっていき、そうでない人との差は徐々に大きく広がることになる。
自分が継続的に努力をすることは大事だ。でも、自分一個人がすること、できることには、限界がある。だからこそ、他者の協力・サポートは必要になる。誰がサポートしてくれるか、そういった人が現れるか、、、違う言い方をすると、そう信じて努力を続けることができるか、投げ出さないでいられるか。その上で初めて縁が生まれるのかもしれない。加えて、最近こんなことも大事なのかと思う。それは、利己的に努力する人よりも、利他の心で努力する人の方に、手は差し伸べられるような気がする。
今までのご縁に感謝!これからもご縁が持てるように、自らもまだまだ努力を続ける必要がある。
コメント