ネコのしっぽをつかんで家に帰ろうとする者は~

 マーク・トウェインの言葉に、「ネコのしっぽをつかんで家に帰ろうとする者は、ただネコを眺めているだけの人よりも10倍多くのことを学ぶ」というのがある。マーク・トウェインは、ちょっとエスプリのきいた言葉を色々残しているが、この言葉は結構気に入っている。


 私は、企業組織とそこで働く人達が幸せになるための一つの要素として、その組織で働く人の生産性の向上が大事だと思っている。(それが最重要ではないが、重要)
 だから同じ組織で同じ仕事をしている人たちの生産性が大きく違うのはなぜか?に自然と関心が向く。仕事柄様々な仕事をしている人と接触する中で、素晴らしい成果をあげている人たちに質問をよくする。「この仕事をする上での成果はなんだと考えていますか?」「成果をあげるために重要なことは何ですか?なぜそれが大事ですか?」「それをするために必要な知識・スキルは?」「どういった経緯でそれが大事だと考えるに至ったのですか?」等々・・・
 色々聞いていると、次第にその人の思考~行動がつながって、立体的に見えてくるように感じる。行動科学の研究者であるクリス・アージリス的に言えば、「ダブルループラーニング」、マクレランド的に言えば「氷山モデル」に近いかもしれない。(ごめんなさい、ここでは内容は省略)
 形、つまり行動を知り、真似をしようとするのはとても大事だと思う。しかし、その裏にある意図、もっと言えば、その人の価値観や思想観が人の行動にとても強く影響している。マーク・トウェインは、それをわかりやすく言い表している。街中にいるネコのしっぽを掴んで家に帰ろうと思えば、、、「どうすれば逃げられないで近づけるか?」「どのタイミングで手を伸ばすか?」「どうやってすきをつくるか?」等々考え、ネコの生態や行動パターン等に詳しくなるはず。目の前に起こる様々な事象を漫然と見ているのではなく、何らかの意図をもって取り組むことによって、学習と成長に10倍の差がでるということだと思う。
 だからこそ、知識・スキルやHow toの学習と同時に、考え方の学習や自分の価値観や思想観の見直しは、両方大事なのだと思う。


 もう一つ、付け加えると、テレビのニュースで様々やっている犯罪者には、ある意味関心する時がある。そんなことまで考えて、実行しているのかと思う。それは泥棒でも詐欺でも、その目的のために自分の全意識と注意力をつぎ込み取り組んでいるから、学習が加速度的に向上にレベルアップがされていくのだと思う。
 意図と目的をもって周囲を見ることはとても大事だと思う。そして、世の中を、自分の身の回りを、どんな意図と目的をもって見るのかは、更に重要だと思う。

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