最近のお気に入りのテレビ番組の一つに「ヒューマングルメンタリー おもうまい店」という日本テレビ系(中京テレビ)の番組がある。バラエティー番組だが、結構楽しい。録画をしておいて、家内と2人で食事をしながら、または晩酌をしながら、笑って見ている。
簡単に言うと、「えっ!なにこの大盛!」「この食事、こんな安いの!」「こんなにサービスするってあり得る?!」「この店、絶対おかしい!絶対赤字だ!」というような感じの店が次々と紹介され、ちょっと変わった(ユニークな)店主(または店の人たち)が紹介される。比較的長い期間、その店に密着して、その様子が映される。(各お店に行っているわけではないし、テレビなので、いいところを切り取っているのかもしれないが、個人的には好き)
この番組の面白いなと思う点は色々あるが、「おもうまい店」に登場する人たちに共通していると感じるのは、ほとんどの店主が「お客さんのびっくりする顔が見たい」というようなことを言っている点だ。
最優先事項として、最高の味の追求を目指しているわけではなく、近隣の競合店と差異化するためのユニークなメニューの開発を目指しているわけでもなく、世の中の流行り・トレンドにのった新メニュー開発を目指しているわけでもなく、、、もちろん、こういったこともやっているのだが、私には、それらを最重視しているようには見えない。最も大事にしているのは、「お客さんのびっくりする顔が見たい」という思いだと感じる。
「お客さんがびっくりする」ということは、お客さんの期待を上回る、想像を上回るということだ。ビジネスっぽく言うと、「顧客満足」を目指すのではなく、「顧客感動」を目指すということだろうか。逆にこんな話をする方が、安っぽくなる感じがする。「ヒューマングルメンタリー」とは、よくつけた名前だと思う。紹介されている店舗の経営者の人生・生き方・生きざまそのものが、番組の中で店舗を通して表現されている。
きっかけは色々ある。ちょっとしたお客さんからの要望だったり、困っていそうなお客さんへの親切心だったり。でも、その結果、お客さんが喜んで、笑顔で「ありがとう」と言いながら帰ってくれる。もっと大きな笑顔を!もっとたくさんのお客様の笑顔を!もっとたくさんのありがとうを! 等々考えながらやっているうちに、エスカレート(笑)していった結果が「こんなことしているの!!」と感じられる店づくりに結実しているのだと思う。
ただ、店主たちは、そんな小難しいことは考えていない。「もっとお客さんがびっくりする顔を見たい」、「普通じゃ面白くない」、「お客さんの喜ぶ顔が見たい」という純粋な思いが、彼ら・彼女らを、お客さんの想像を超える世界に突き動かしているのだと思う。そして、それは人から言われてやっているのではなく、自分がそうしたいからやっている。それが楽しいのだ。だから、周りの人からは、もっと~~した方がいいのでは?と言われるかもしれない。また、こうした方が儲かるよと言われたとしても、彼ら・彼女らは自分のやり方を変えない。こんなに楽しいことをやっているのに、止める理由はどこにもない。それが生き方そのものになっているのだから、、だと思う。
この姿勢は、商売の、あらゆるビジネスの基本だと思う。提供された商品・サービスに価値を感じ、お客様はお金を払う。でも、我々は、ついついそのことを忘れてしまい、目がお客様ではなく、自分に向く、効率よく儲けるためには・・・・少しでも多くの利益を上げるには・・・これらが不要だと言うつもりはないけど、、、
お客様の基準をギリギリ クリアするのではなく、想像を超えびっくりする領域に、そのため既存の枠組みにない発想でやる。失敗を恐れるという感覚ではなく、やりたいから、楽しいからやる。お客様も本人もハッピーに。
お酒を飲みながら、笑いながらテレビを見ているが、少しこんなことも考えてみる。本当は、もう一つこれらのお店をどう見つけてくるかというところも面白いのだが、今回はその話はしないで、ここまでに。
自分の出張と家内の不在もあったので、録画が少し溜まっている。また、飲みながら見るのが楽しみだ(笑)
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